ご注意ください
本記事は一般的な情報提供を目的としており、申請書類の作成代行ではありません。実際の申請書は最新の公募要領を熟読し、ご自身で責任を持って作成・確認してください。本記事の内容は採択を保証するものではありません。

事業承継・引継ぎ補助金ガイド【2026年度版】
2026年8月7日 · 約12分で読めます
事業承継・引継ぎ補助金は、中小企業の事業承継やM&Aに伴うコストを支援する補助金です。 後継者不足で廃業を検討している事業者や、M&Aによる事業引継ぎを計画している 事業者にとって、心強い味方となる制度です。
2026年度版では、上限800万円、補助率1/2〜2/3と手厚い支援が受けられます。 また、認知度が比較的低いため競合が少なく、検討しやすい補助金と 言えるでしょう。本記事では、事業承継計画の立て方から専門家活用のポイントまでを 紹介します。
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1. 事業承継・引継ぎ補助金とは
事業承継・引継ぎ補助金は、中小企業庁が所管する補助金で、 中小企業の事業承継やM&Aに要する経費を支援することを目的としています。 正式名称は「事業承継・引継ぎ補助金」です。
日本では、経営者の高齢化に伴い年間約5万社が後継者不足で 廃業していると言われています。この補助金は、そうした廃業を防ぎ、 健全な事業承継を促進するために創設されました。
事業承継補助金の特徴は、認知度が低く競合が少ないことです。 ものづくり補助金やIT導入補助金と比較すると、応募者数が少ないため、 同じレベルの事業計画書であれば採択確率が高くなります。
補助率
1/2 〜 2/3
上限額
最大800万円
採択率
約40〜50%
対象
全業種
こんな事業者向け
- 後継者不在で廃業を検討している
- M&Aによる事業引継ぎを計画している
- 親族外に事業を承継したい
- 事業承継に向けた準備(計画策定・専門家相談)を始めたい
2. 各枠の詳細と上限額
事業承継・引継ぎ補助金には、事業の状況に応じて複数の枠が用意されています。
経営資源引継ぎ枠
後継者への事業引継ぎに要する経費を支援する枠です。 設備の移転・改修費や、従業員の教育訓練費などが対象となります。
- 補助上限額:800万円
- 補助率:1/2 〜 2/3
- 対象:後継者への事業引継ぎ全般
専門家活用枠
事業承継計画の策定やM&Aの際に、専門家(弁護士、公認会計士、税理士、 中小企業診断士など)に支払う費用を支援する枠です。
- 補助上限額:400万円
- 補助率:1/2 〜 2/3
- 対象:専門家への相談料・計画策定費用
M&A支援枠
M&A(事業譲渡・株式譲渡)による事業引継ぎを支援する枠です。 仲介手数料やデューデリジェンス費用、契約書作成費用などが対象です。
- 補助上限額:800万円
- 補助率:1/2 〜 2/3
- 対象:M&A関連費用全般
| 枠 | 補助率 | 上限額 | 主な対象経費 |
|---|---|---|---|
| 経営資源引継ぎ枠 | 1/2 〜 2/3 | 800万円 | 設備移転・改修、教育訓練 |
| 専門家活用枠 | 1/2 〜 2/3 | 400万円 | 専門家相談料、計画策定費用 |
| M&A支援枠 | 1/2 〜 2/3 | 800万円 | 仲介手数料、DD費用、契約書作成 |
3. 補助率・上限額・採択率
補助率
補助率は事業者の規模と枠によって異なります。
- 中小企業:補助率 1/2
- 小規模事業者:補助率 2/3
小規模事業者(従業員20人以下、商業・サービス業は5人以下)は、 補助率2/3と手厚い支援が受けられます。
上限額
上限額は枠によって異なり、最大800万円です。 経営資源引継ぎ枠とM&A支援枠が800万円、専門家活用枠が400万円です。 各枠の併用も可能で、例えば専門家活用枠(400万円)+ M&A支援枠(800万円)の 合わせて1,200万円の補助を受けることも理論上可能です。
採択率:約40〜50%
事業承継補助金の採択率は約40〜50%です。 ものづくり補助金(約38%)より高く、持続化補助金(約47〜51%)と 同程度の水準です。認知度が比較的低く競合が少ないため、 しっかりと準備すれば十分に採択を狙えます。
特に以下の条件を満たす場合は採択確率が高まります。
- 専門家(弁護士・税理士・中小企業診断士など)の支援を受けている
- 事業承継計画が具体的で実現可能性が高い
- 承継後の事業発展計画が明確に示されている
- 廃業を防ぎ、雇用を維持する意義が明確
4. M&A支援について
事業承継・引継ぎ補助金の大きな柱のひとつがM&A支援です。 M&Aによる事業引継ぎは、後継者不在問題の有効な解決策として 注目されています。
M&A支援枠で補助対象となる経費
- 仲介手数料:M&A仲介会社への成功報酬・着手金
- デューデリジェンス費用:財務DD・法務DD・人事DDなどの調査費用
- バリュエーション費用:事業価値評価(企業価値算定)の費用
- 契約書作成費用:譲渡契約書・株主間契約書の作成費用
- FA(ファイナンシャルアドバイザー)費用:M&Aアドバイザーへの報酬
M&Aの流れ
- 自社の事業価値の把握・譲渡条件の検討
- M&A仲介会社・アドバイザーの選定
- 譲受先企業の探索・マッチング
- 基本合意書の締結
- デューデリジェンスの実施
- 最終契約書の締結
- 事業譲渡・株式譲渡の実行
- 承継後のフォローアップ
M&Aによる事業承継は、親族内承継と比較して複雑な手続きが必要ですが、 事業承継補助金を活用することで、専門家のサポートを受けながら スムーズに進めることができます。
5. 事業承継計画の立て方
事業承継・引継ぎ補助金を申請するには、事業承継計画の 策定が必須です。計画には、承継の方法や時期、承継後の事業運営方針などを 具体的に記載する必要があります。
事業承継計画に盛り込むべき項目
- 自社の現状分析
経営状態、財務状況、従業員状況、市場環境などを客観的に分析します。
- 承継の目的と基本方針
なぜ承継するのか、誰に承継するのか、どのような方法で承継するのかを明確にします。
- 承継スケジュール
いつまでに承継を完了するのか、段階的な移行計画を示します。
- 承継後の経営計画
承継後にどのように事業を発展させるか、具体的な事業計画を記載します。
- リスク管理体制
承継に伴うリスク(取引先離脱、従業員離職など)への対応策を示します。
事業承継計画策定のポイント
- 早期着手が重要:事業承継には最低でも3〜5年の準備期間が必要です。
- 客観的な経営診断:自社の強み・弱みを第三者の視点で分析しましょう。
- 複数の承継方法を検討:親族内承継、従業員承継、M&Aなど、 複数の選択肢を比較検討することが重要です。
- 税務・法務の検討:事業承継には相続税・贈与税・登録免許税などの 税務問題がつきものです。早めに専門家に相談しましょう。
6. 専門家の活用方法
事業承継・引継ぎ補助金では、専門家の活用が重要な位置づけを 占めています。専門家活用枠では、以下の専門家に支払う費用が補助対象となります。
活用できる専門家一覧
- 弁護士:M&A契約書の作成・審査、法務デューデリジェンス
- 公認会計士:財務デューデリジェンス、企業価値評価
- 税理士:承継に伴う税務計画の策定
- 中小企業診断士:事業承継計画の策定支援、経営診断
- 行政書士:許認可手続きの代行
- 社会保険労務士:承継に伴う人事・労務手続き
- M&A仲介業者:譲受先の探索、マッチング
専門家を活用するメリット
- 専門知識の活用:税務・法務・財務の複雑な問題を専門家に任せられる
- 客観的な判断:経営者一人では気づかない課題を第三者の視点で指摘
- ネットワークの活用:専門家の持つネットワークから譲受先を紹介
- 交渉の代理:感情的な対立を避け、プロフェッショナルな交渉が可能
専門家活用枠では上限400万円まで補助されるため、 実質的に専門家の費用負担を大幅に軽減できます。 事業承継を検討する際は、まず専門家に相談してみましょう。
専門家の選び方
事業承継に強い専門家を選ぶためには、以下の点をチェックしましょう。
- 事業承継・M&Aの実績が豊富か
- 自社の業界・業種に知見があるか
- 費用体系が明確か(着手金・成功報酬の区分)
- 相性(コミュニケーションが取りやすいか)
7. 申請要件とスケジュール
申請者の要件
- 中小企業基本法に定める中小企業者であること
- 日本国内で事業を営んでいること
- 事業承継またはM&Aを計画していること
- 承継後も事業を継続する意思があること
補助対象とならない経費
- 承継そのものに要する対価(株式の買取費用など)
- 既存の債務の返済
- 人件費(従業員の給与)
- 不動産の取得費
- 補助事業と直接関係のない経費
スケジュール
事業承継補助金は、年度内に複数回の公募が行われます。 2026年度の標準的なスケジュールは以下の通りです。
| 回 | 公募開始 | 締切 | 結果発表 |
|---|---|---|---|
| 第1回 | 2026年5月 | 2026年7月 | 2026年9月 |
| 第2回 | 2026年8月 | 2026年10月 | 2026年12月 |
| 第3回 | 2026年11月 | 2027年1月 | 2027年3月 |
申請から補助金受取までの流れ
- 公募要項の確認
- 専門家の選定・相談
- 事業承継計画の策定
- 申請書類の作成・提出
- 審査(約2ヶ月)
- 採択通知・交付決定
- 事業の実施(専門家活用、M&A手続きなど)
- 実績報告書の提出
- 補助金の確定・受取
まとめ
事業承継・引継ぎ補助金は、後継者不足に悩む中小企業にとって頼れる支援制度です。 上限800万円、補助率1/2〜2/3で、M&A仲介手数料や専門家相談料などの 承継に伴うコストを大幅に軽減できます。
採択率も40〜50%と比較的高く、認知度が低いため競合も少ないため、 しっかりと準備すれば十分に採択を狙えます。事業承継は時間がかかるものです。 早めに計画を立て、専門家のサポートを受けながら進めていきましょう。
詳細な要件や最新の公募スケジュールについては、以下のリンクから ご確認ください。
事業承継・引継ぎ補助金の公式情報
補助金の要件・予算・スケジュールは変更される場合があります。必ず公式サイトの最新情報をご確認ください。
※本記事の情報は2026年7月時点のものです。補助金の要件・予算・スケジュールは 変更される可能性があります。最新情報は各公式サイトをご確認ください。
※採択率は過去の公募実績に基づく参考値です。実際の採択は事業計画書の質により 大きく異なります。
よくある質問
この補助金の申請は難しいですか?
補助金ごとに難易度は異なりますが、多くの場合、事前の準備と事業計画書の作成が重要です。ホジョリーのAI診断を利用すれば、自分に合った補助金を見つけられます。また、専門家(行政書士)のサポートを受けることで参考になります。
採択確率を高めるには?
事業計画書の内容が重要です。具体的な数値目標、現状の課題分析、補助金を使った具体的な改善策を明確に記載しましょう。また、過去の採択事例を参考にすることも参考になります。
複数の補助金に同時申請できますか?
補助金によってルールが異なります。一部の補助金は併用可能ですが、同じ経費に対して重複して受けることはできません。各補助金の公募要領を必ずで併用条件を確認してください。